盛男がゆく

生きること、それは日々を告白していくことだろう

嘘も愛の形

僕の彼女はよく嘘をつく。

しかし、それは僕が揉め事を起さない為だ。

僕は人とすぐに争いごとを起す。要するに喧嘩っ早いのだ。

しかし、喧嘩をすると自己嫌悪にも陥る。自分でやって自分で落ち込むのだ。

よく 「殴った方も痛い」 なんて言うけど、その類のものかもしれない。

彼女はそれを知っている。だから、そうはならない様、僕に嘘をつくのだ。

しかし、海千山千を渡り歩いてきた僕には通用しない。すぐに見破る。

というか日頃から嘘をつき慣れていない彼女は嘘が下手だ。

それでも、僕は気付いていない振りをして 「あっ、そうなの」 と軽く返事をしておく。

そうしているうちに、もう何年も人と揉め事を起していない。

結果、僕は人とのトラブルで悩み苦しむ事もなくなった。

彼女は僕を想い嘘をつき。僕はそんな彼女を見て、彼女の嫌がる事は辞めた。

なぜなら、彼女に嘘をつかせているのは僕だから。そしてそれは愛の形だから。

人が人を変えるのは難しいけど、いい方法を考え愛と時間をかければ出来ると彼女は証明した。

嘘は決していい事ではないと思う。しかし結果が良ければそれは方便になるのだろう。

ありがとう。