盛男がゆく

生きること、それは日々を告白していくことだろう

大義なき

金の為だけに仕事をするのは馬鹿げている。

金を儲けて、いい車乗って、いい女をはべらかせ、ホテルの最上階、下界を見渡しながらコカインを吸う。

そんな陳腐な目的の為に、必死に働き、屈辱にも耐えて、体も酷使して得た金は、すべて病院代に替わってしまった。

どうせ体を壊すのなら、もっと大義ある事に命を燃やせばよかった。

大義とは??

家族、社会、世界の為。所謂、利他である。

そんな事をこの年齢になって気付くなんて・・・。

少し残酷でもあるが、是非に及ばず。

今は金よりも大切なものが幾つもある。

金は無くなったが、心は豊かな価値観に変わってしまった。

あの頃より、今の自分が好きだと胸を張って言える。

今までを大義なきまま過ごしてしまった。

残り半分の人生をどう生きるのか?

自問自答の日々だ。